2024.02.02

CS寺子屋Vol.11「複数の企業を支えるCSフリーランサーになる道」にて講演記事が公開されました。

お知らせ

CS寺子屋Vol.11「複数の企業を支えるCSフリーランサーになる道」

カスタマーサクセスの分野が価値を増している中、自身のキャリアパスとして独立を検討する人が増加しています。

この流れを受け、CS寺子屋 では「独立CSプロフェッショナルとして複数の企業立ち上げに貢献する方法」をテーマに、 数年間の企業内での経験を経て独立を選んだSuccess Goal Lab.株式会社のCEO大竹健斗氏と イタンジ株式会社(フリーランス)原島宗三氏を講演者として迎えました。

彼らは自身のキャリア経験、独立を決意した理由、独立に至るプロセス、 独立前に行った有益だったことや「キャリアとしての独立は有効か?」について話していただきました。

スピーカープロフィール

イタンジ株式会社(フリーランス)原島宗三

複数企業のカスタマーサクセス立ち上げに携わり、 2019年には楽する株式会社ハコベルの事業本部・デジタル戦略部に参画。 事業開発全般に幅広く従事した後、2020年にイタンジ株式会社へ。 ここでCS部門の立ち上げを行い、オペレーション改善や事業推進を担当。 2022年には独立し、カスタマーサクセス専門のコンサルティングや アドバイザリー、新規事業開発で活躍中。

Success Goal Lab.株式会社 CEO 大竹健斗

リクルートに新卒入社後、人材派遣・BPO事業での営業・就業管理を経験。 2016年、AIスタートアップに創業メンバーとして加わり、顧客対応改善などに従事。 その後、COOへと昇進し、銀行、保険、飲料メーカーなど 100社以上にDXプロジェクトの導入から運用までをサポート。 個人でのDX支援実績を経て、2023年にSuccess Goal Lab.を立ち上げ、 カスタマーサクセスを軸に経営の推進を行う。

独立の経緯

— 副業・独立という道を選ばれた理由を教えていただけますか。

大竹さん

この決断には、2つの理由があります。

まず1つ目の理由は、KOMMONSさんの存在。

2つ目の理由は、単なる副業だけでは目標を達成できないと感じたからです。

1つ目の理由として、KOMMONSさんからの紹介で始めた副業が、他社のカスタマーサポートの状況を知り、同業界の人脈を広げるきっかけとなりました。これが私にとって大きな転機でした。

2つ目の理由は、副業を経て他社でも自分のスキルが通用することを実感しつつ、 より多くの支援を行うためには副業の枠を超える必要があると感じました。

私はCSを通じて売上の拡大や組織・営業の改革が可能だと信じていますが、 副業だけではその目標にコミットすることが難しいと感じたのです。

原島さん

私は違う経緯から独立を考えるようになりました。 実は高校時代に兄と起業した経験があります。 また日本においてまだCSが一般的ではなかった時期に、 株式会社ベーシックでのカスタマーサクセスの立ち上げを担当しました。

転職のタイミングで、私が担当していたお客様に転職を伝えるすると複数の企業から個人での支援要望が寄せられました。 上司に相談しところ、お客様への挨拶回りにも同行していただけ個人での支援を進めることにしました。 これまで、会社員としてお客様の成功に貢献してきましたが、 個人としての仕事依頼を受ける機会を通じて、自身の実績が評価されることを実感しました。 その結果、CS分野でも個人として仕事を受ける道を選び、独立を決意しました。

独立への道のり

— 正社員としての勤務と業務委託での働き方の違いは大きいと思いますが、
どのようなプロセスで独立されたか教えてください。

大竹さん

独立に向けた最初のステップは副業を始めることでした。 複数の副業を経験する中で、サイシードで立ち上げていたフレームワークや考え方を 他社でも再現性を持って適用できることが確認できました。これが第二のステップです。

第三のステップは、副業収入が増えてきたことから、会社設立を検討し始めたことです。

最終的に、サイシードが事業買収されるという出来事をきっかけに、 自分のやりたいことが実現できないと感じ、独立を決意しました。

原島さん

元々マーケティングの分野で副業をしていた経験から、CSにおいてもスムーズに副業を開始することができました。

副業の受け方については、法人契約と個人契約をはっきり区別しています。 個人としてコンサルティングやアドバイスが可能、 または1名程度のサポートで対応できる案件は、個人で引き受けます。

一方で、中堅企業向けのより大規模な支援が必要な場合は、自分の会社や、 兄と共同で経営している会社を通じて仕事を請け負います。

さらに、顧客の中には個人ではなく法人としての契約を求める企業もあります。 そのような場合、法人を持っている方がメリットが大きいです。

— 独立後、どのようにしてクライアントを獲得していったのか教えてください。

大竹さん

地道な活動からスタートしました。 過去に関わったSaaS企業の知人に連絡を取り、状況を説明して話を聞いてもらいました。

そこから飲み会を通じて人脈を広げ、数回の面談を経て、1~2ヶ月で初めての仕事を獲得しました。

原島さん

私はベーシック時代のクライアントから引き続き支援依頼を受けました。

その後は既存のクライアントが新たな紹介をしてくれる形で、自然とクライアントが増えていきました。

独立後の具体的な支援内容

大竹さん

私たちは、単にCSの業務だけでなくCSを出発点として、事業開発や売上の増加に向けたサポートも行っています。 CSの枠を超えた活動も展開していることもお話ししたいと思います。

私たちは、セールス、マーケティング、事業開発、プロダクト開発など、 あらゆる業務をCSを中心に考えることの重要性をお伝えしています。 特に、セールスや事業開発の分野での支援に強みを持っており、その能力を活かした支援を提供しています。

提供する支援としては、CS業務の代行・CS設計の支援・CS立ち上げ支援などがあります。

支援対象の企業は、SaaS企業から大手企業まで、業種や業界を問わず幅広いです。 実際の支援事例もご紹介させていただきます。

まずSaaS企業におけるCS機能の立ち上げ支援があります。

教育関連企業の最初のCSとして参加し、数ヶ月後にはマネージャー候補を採用し、その育成にも携わりました。 この支援により、CS機能の立ち上げが半年から1年早まったとのお声をいただきました。

また、導入事例獲得一体型カスタマーサクセスの「FIRST PENGUIN」という新しいサービスの提供も開始しました。

多くの企業が直面している課題の一つに、製品やサービスの導入は増えているものの、 成功事例が不足しているという点があります。

企業の価値や製品の信頼性を判断する際に、成功事例は重要な要素となります。 この状況において、CSの取り組みを通じて成功事例の獲得を目指すサービスは、多くの企業にとって魅力的になっています。

原島さん

私が提供する支援の例を2つ紹介します。

1つ目は、マーケティングツールを提供するウィルゲート社で、これまで約2年間の関係が続いています。

最初にヘルススコアの構築や解約率の改善の支援を行いました。 当初、抱えていた課題が正確でなかったため、ウィルゲートのCSのプロセスを可視化し、 具体的なデータを確認できるダッシュボードを作成しました。 そこから、成功しやすい企業と解約リスクが高い企業の違いを分析し、ヘルススコアを明確化しました。

次に、DMM chat Boostさんへの支援です。 CSおける適切なKPI設定についての課題があり、私がKPIの枠組みを定め、それに基づいたダッシュボードを作成しました。

さらに、事業計画の叩きを立案し、それに沿ったCSのKPI設計や組織設計を行うなど、包括的な支援をさせていただきました。

独立前に行うべきこと

— 独立を目指す過程で、特に重要だと思われる行動や準備についてお伺いできますか?

大竹さん

具体的には4つ挙げられますが、もしかするとそれ以上かもしれません(笑)

最初に、自分の市場内での強みを理解することが大事だと思います。

次に、少なくとも2つの得意分野を持ち、自らの希少価値を高めることが必要です。

三つ目に、副業を経験すること。 そして最後に、KOMMONSに登録することです。

— 複数の強みを持つ重要性に触れましたが、なぜそれが必要なのか、  また、大竹さんはどのような強みを組み合わせているのか教えていただけますか?

私自身、CSを軸に事業を立ち上げており、その専門知識は絶対に必要です。 しかし、それだけではなく、営業やプロジェクトマネジメントの経験もあります。 これらの経験を通じて、私に仕事を依頼する理由をクライアントに提供できるようになりました。

原島さん

まず、KOMMONSへの登録をお勧めします。

また、複数のコミュニティに参加しておくべきです。

ただ1つに絞るのではなく、多くから情報を得られるようにすることが、独立する上で大変重要です。

さらに、自分の生き方をしっかり決めておくことも必須です。 独立して仕事に専念するのか、それともワークライフバランスを大切にするのか。

この選択によって、取るべき行動は大きく異なります。

仕事を中心に据える場合は、営業活動も自分自身で積極的に行う必要があります。

一方で、従業員としては特定の役割に専念できますが、独立すると営業とマーケティングの両方を自分で担うことになります。

この点を踏まえて独立に向けた準備をすることが大切です。

一方、ワークライフバランスを重視する場合は、コミュニティや副業プラットフォームに参加することで、仕事を見つけたり、エージェントからの案件を受けることになります。

目指す方向性によって働き方が変わるため、自分の進むべき道を定めておくことが重要です。

CSとして立ち上げ支援を行う際に、習得すべきスキルや経験

— 最後にCSの立ち上げ支援業務において、習得すべきスキルや経験について教えてください

大竹さん

まず第一に、立ち上げからそのプロセスを確立するまでの全体の流れを理解することは絶対条件です。

さらに、コンサルティング能力やプロジェクトをリードする能力も求められます。

そのためには、CS戦略を設計するためのフレームワークを、 既存のものであれ自分で編み出したものであれ、用意しておく必要があります。

原島さん

大事な点が2つあります。

まず、プロジェクトを管理するスキルは欠かせません。

CS分野に限らず、何か新しい事業を立ち上げる際には、 プロジェクト管理能力が必須となるため、これは身に付けておくべきです。

次に、新規事業の立ち上げ経験も重要です。

これは大竹さんの経歴にも通じる部分ですが、事業の初期段階から 顧客サービスに至るまでの全過程を経験しておくと良いでしょう。

CSだけの力に頼るだけでは足りない場合が多く、マーケティングや セールスのチームとの協力やフィードバックが必要になることがあります。

たとえば、ターゲット層やアプローチ方法に関する調整を求められることがありますが、 そのような時にマーケティングやセールスの経験があるかどうかが重要になってきます。

CSでの副業・独立を考えているならKOMMONS

KOMMONS株式会社は、「働くを、傍楽に」をビジョンに掲げ、事業展開をしています。 日本最大級のカスタマーサクセスコミュニティを軸に、 カスタマーサクセス特化型のキャリア支援とCS設計支援の二つのサービスを提供しております。

カスタマーサクセス特化型のキャリア支援では、副業に適した様々な案件を提供しています。 KOMMONSに参加し、専用ポータルでプロフィールを作成することで、非公開の案件情報も受け取ることが可能です。

副業や独立を目指すカスタマーサクセスのプロフェッショナルの方々に、KOMMONSの利用をお勧めします。